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運動学習が叶える、憧れへの一歩。

千葉司
2017.11.23

どんなスポーツでもいいですが、「もし、憧れの選手と全く同じ動きが出来たなら・・・」そう思うことってありませんか?

スポーツをしている人なら誰しもが一度は思うことかもしれません。例えば「人類最速の男、ウサイン・ボルトと同じように走ることができたら」とか、「世界の安打製造機、イチロー選手と同じように打てたら」とか。それがもし実現できたのなら、みながみなスポーツを楽しめるのかもしれません。

でも、実際にはそれができない。練習してもうまくならない、憧れの選手とは程遠い、スポーツ自体を諦めなければいけない。そんな実情です。

しかし、「それって当たり前じゃない?」と思われる現象ですが、実はそうでもないんです。

 

 

人間の体は何が動かしているかというと、脳からの電気信号で筋肉が動かされています。その脳からの指令を受けた筋肉が、一連の動作で運動学習をしていきます。

例えば自動車の運転。教習所で初めて運転した時には、アクセルを踏む、ブレーキを踏む、ハンドルを切るという様々な動作がぎこちないですが、脳が学習していくにつれて、それを無意識にできるようになっていきます。

この例から考えると、「なぜ、憧れの選手と同じ動作ができないのか?」のヒントが見えてきます。それは、違うカタチで運動学習してしまったから。運動学習によって違う動作が出来上がってしまったからです。

とある研究で、筋肉の組成(遅筋と速筋の割合)は遺伝の可能性が強いが、運動神経は遺伝ではないという結果が出ています。

運動できる親の元に生まれた子供は、運動に関わる時間が長いですし、運動が苦手な親の元に生まれた子は、運動に関わる時間が短い。これが「運動神経は遺伝だ」と思われてしまってる所以なのかもしれません。

子供の頃に変な指導を受けたせいで、根本的な体の動きと違うものを学習してしまったり、癖や環境によって、スポーツができない運動学習をしてしまったりと、脳への学習方法が違ったからできないわけなんです。

「だから、今から運動するのは諦めなさい」

って言いたいわけではなく、その逆。それを知ってるかどうかで、ある程度の学習は目指せるし、それを知ることが「運動やってみよう」っていう意欲につながる可能性があります。

 

 

目をつぶって腕を水平に180度まで上げてみてください。おそらくピタッと180度の位置で止まっている人はなかなかいないと思います。しかし、誰かに「180度の位置はここだよ」って教えてもらい、その位置を覚え、もう一度やってみると大抵できるようになります。これが運動学習です。

元10種競技日本チャンピオンで、タレントの武井壮さんも、テレビでこれを伝えています。武井さんは、競技の練習をほとんどせず、自分で自分の体を思うようにコントロールする練習をずっとしてきたそうです。だから、誰か選手をみればある程度それを真似して体を動かすことができる。これが本来の脳の力です。

体に障害があろうがなかろうが、大人だろうが子供だろうが、男だろうが女だろうが運動をする過程っていうのは一緒。なので、まずスポーツをする前に「自分の体をどれくらい自分でコントロールできているのか?」を探ってみることが必要ですし、体を動かす楽しさを見つけることができます。

普段、何気なく行ってる運動や動作。これを細かく俯瞰的にみることで、自分ができる運動やスポーツが見えてくるかもしれません。

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