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人間は”野生”から始まっている。障害者スポーツも”内的衝動”から始めてみませんか?

千葉司
2017.11.06

“人間は最初から科学を用いていたわけじゃない”

昨今、スポーツとなると「科学的根拠に基づいて」という言葉を耳にします。いろいろなデータや理論、たくさんの分析。そして、進歩していく最新機器の数々。

それらを使うことで人間を科学的に紐解いていくということが、現代では当たり前のようになっていますが、人類が誕生した時のことを考えてみるとどうでしょうか。科学なんて初めからあって・・・なんてことは、ありません。

 

 

ジャングルの奥地や砂漠のど真ん中で暮らす先住民を考えてみると、そこには科学的な思考は存在していなく、科学的な機器もあるわけもなく、あるのは身体的感覚。その感覚をフルに使って身の危険を感じたり、天気を予想したりしています。

そんな環境の中から「運動」が始まり「スポーツ」が出来上がっていきました。

フランスの人類学者レヴィ=ストロースは、著書『野生の思考』で、肉体的身体感覚と科学的思考というのは、並行して進んでいると分析しました。

身体的な感覚として起こることを、後に科学的に分析をする。逆に、科学的に証明されたことを後から身体的感覚として落とし込む。そうやって、身体的感覚と科学的思考というのは、併せて考えられてきました。

さて、スポーツはどうでしょうか。心や体に障害を持つ人もそうじゃない人も、いきなり科学的な思考で取り組む人はいるのでしょうか。おそらく、いないと思います。

どんな人でもまずは「やってみたい」とか「やってみよう」っていう、なんとなく感じたワクワク感や「これくらいならやって大丈夫そうだな」っていう身体的な感覚を味わうことが大切です。

障害者スポーツは「障害があってもこのスポーツならばできるんじゃないか?やってみよう!」というチャレンジから生まれています。障害者アスリートも「このスポーツにチャレンジしてみたい!」という意欲から競技を始めているはずです。そこには「どうせ無理」みたいな発想はありません。

 

 

情報過多な時代「あそこに書いてあったから」「あの人が言ってたから」っていうことに左右されずに、まずは自分自身の身体感覚に従って体を動かしてみるってことから始めてみると、運動の楽しさ、スポーツの楽しさ、そして自分自身の体の可能性を知ることができるのではないでしょうか。

運動してみてダメそうだったらやめればいい、スポーツをしてみてしんどかったら理由を考えてみればいい。”やり始めたら、やめちゃいけない”というルールはないので、自分の身体的、肉体的な感覚に素直に従ってみると、新しい発見があるかもしれませんね。

 

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