トレーナー

あるもの勝負の大切さ

千葉司
2017.09.28

病気がちな人は、健康の人の体を羨む。

お金がない人は、大金持ちの生活を羨む。

障害があって四肢がない人は、手足があることを羨む。

人間はどうしても自分になくて他人にあるものを羨む傾向があります。そして、自分がたくさんの「使えるもの」をもっていることに気づかずに、他人がもっている「自分が今もっていないもの」を欲しがります。

他人や環境に影響されて、“ないものねだり”をしてしまうことは、人間のマインドとして一つの落とし穴です。

 

 

こんな話があります。

交通事故で右脚を失った男性。周りが「かわいそうだ」と思う中、彼はこう言いました。

「私の体の完璧な状態が10000だとすると、確かに右脚を失うことで8000になってしまったかもしれない。でも、まだ8000も残ってるじゃないか。私は、失った2000を嘆くんじゃなく、残った8000で勝負するよ。」

大抵の人は、失ってしまったものをいつまでも嘆き、人生が終わってしまったかのように捉えてしまいます。

ですが、彼のように、失った2000よりもまだ残っている8000を活かしたほうがよいし、残りの8000が10000に変わることだってあります。失った2000にこだわり続ければ、8000は8000のまま。むしろ、幻想の2000に引っ張られ、マイナスに落ち込んでいく恐れだってあります。

私が障害者スポーツを応援したくなる理由は、残った8000で勝負しているからです。大切なことは「ないものを嘆くのではなく、今ある資源をどう活かして、これからどう輝かせていくか」です。障害者スポーツを観戦すると、そんなことに気づかされます。

 

 

トレーナー目線で見ると、動けないなら動けないなりの動き方がありますし、動けるのなら動けるなりの活動があります。人間の体は面白いもので、失った機能を他の機能が補って、まるで機能が失っていないかのような動きを見せることもあります。

「これがないから、これはできない。あれがないと、これはできない。」と捉えるのではなく、「これならできそうだから、自分なりに楽しんでみよう」という考え方が、いろいろな可能性を広げていくのだと思っています。

怪我をしたなら、怪我した間にしかできないことをすればいい。

何か障害があるなら、できることを思いきりやればいい。

障害があるからなんて関係のない話です。

諦めない。使えるものはどんどん使ってあげないともったいないですよね。

 

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