発達障害を抱える私が思う、スポーツで整える心身のバランス。

森本 しおり
2017.09.25

発達障害のある人に「学生の頃、苦手だった科目は?」と聞くとダントツで「体育」が一位だそうです。この結果を見たとき「あー、わかる」と大きくうなずきたくなりました。それと同時に、学生時代の苦い思い出の数々が頭に浮かびました。

私は、ADHD(注意欠如多動性障害)の当事者です。ADHDは、不注意症状と多動性・衝動性が合わさった先天性の脳機能障害。ケアレスミスや忘れ物をしてしまう等の不注意症状と、じっとしていられない・思ったことをすぐに実行に移してしまう等の多動性・衝動性の症状の両方があります。

 

 

発達障害を抱えた私ですが、小さいころからずっと運動をする習慣がありました。スポーツ遍歴をご紹介すると、以下の通りです。

 

・3歳の頃から8年間水泳を習う(週2日)

・中学は硬式テニス部

・高校は剣道部

・大学は硬式テニス部

・社会人以降、山登りやヨガをする。

 

これ以外にも、バスなどを使わずに50分歩いて職場まで出勤していたこともありましたし、今でも基本的に休日は2万歩を目安に歩いています。

これだけをざっと見ると「え?!どれだけ運動好きなの?」って言われそうですが、正直に言えば、運動は苦手です。発達障害の特徴の一つとも言われていますが、体の使い方が下手なのです。

 

 

剣道部では「そんなに力任せにやらないで!」とよく言われていましたし、社会人になって身体障害のある方の介助をしていると「あなたのやり方は見ていて怖い。バランスが悪いのを力で無理やりカバーしているから、あなたも相手も怪我しそう。」と真剣に注意されました。とても、的確な指摘です。

私のイメージだと、スポーツが得意な人って「バランス感覚がよくて、余計な力が入っていない」印象を抱きます。その正反対に位置していた私は、剣道部で膝の軟骨が炎症を起こしてしまう怪我を2回、そして椎間板ヘルニアも経験しました。現在も無理をしてしまうと、膝と腰が痛みます。

運動が苦手な理由は「体の使い方が下手」なこと以外にもあります。私は、テニスでも剣道でも「素振りが嫌い」な部員でした。もっと言えば、練習が嫌いでした。

ただ、いくら「ADHDは単調な作業が苦手」とはいえ「障害のせいです」とは言い切れません。水泳界のスーパースター、マイケル・フェルプス選手は自身の発達障害をカミングアウトしています。私は単に、飽きっぽい性格なのでしょう…

テニス部時代は、部員仲間に迷惑をかけました。練習だと全然ラリーが続かない。ぼーっとしてボールを取り損ねたり、変なところに打ってしまったり。「ちゃんとやってよ!ボールを拾いに行くのが大変!」とよく怒られていました。申し訳なくて仕方ありません。

ところが、私は試合になると別人のようにイキイキしていました。信じられないくらいの集中力を発揮して、ミラクルな勝ち方を連発。ADHDの特徴で「刺激を好む」ことがあるとは言え、我ながら「現金なやつだなぁ」とあきれていました。

 

 

身体の使い方が下手、おまけに練習嫌いだった私が、ずっと運動をしてきたのには理由があります。それは、運動をすると、心身共に調子が良くなるからです。

もともと私は、怪我をして初めて体の不調に気づくくらい鈍感な人です。多分、他の人は怪我をする前に痛みを感じて、自分である程度調節ができるのだと思いますが、私は、それを自然にできませんでした。

読書や絵を描くことなど、好きなことは放っておいたら時間を忘れ、のめり込んでしまいます。私は「運動部に入る」くらい強制的な力が働かないと、体を動かしませんでした。「得意だから」「好きだから」という以外にもスポーツをする理由があってもいいのだと思います。

苦手だからこそ「習慣」に組み込んでしまう。スケジュールにあらかじめ入れてしまう。習慣の結果、バランスがとれる。自分の体も心もスッキリする。それが、発達障害である私の「運動の仕方」なのかもしれません。

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