トレーナー

体と心に悩みを抱える人の9割以上が知らないこと。

千葉司
2017.08.28

「無知の知」

ソクラテスの有名な言葉。「知らないことを知っている」という謙虚さが必要で、それが相手よりも優れているんだとソクラテスは説いた・・・。

 

 

私は代々木上原で施術料金1円から、メニューも金額も設定のない接骨院を経営しています。柔道整復師としてトレーナー、カウンセリングもしています。人の心と体に触れるようになって約10年、3万人以上の心と体と向き合ってきました。

怪我をした方や子供、お年寄りや障害者の方、そして過去に犯罪を犯してしまった方など、様々な方の心と体に向き合ってきましたが、その中で気づいたことがありました。それは、

「9割以上の人は、自分自身の心と体のことを理解していない」

ということでした。

 

 

冒頭にあげた「無知の知」。知らないということを知っているどころか、知らないということすら知らない人がほとんど。自分の心のことも体のことも、ほとんど知りません。この状態だと、健常者だろうが障害者だろうが関係なくなってきます。

例えば、身体障害者の方に対して、「いやいや、自分の障害くらい、わかってるでしょ?」と言ってしまいそうですが、それは健常者の方に対して「私は足が二本あって、腕も二本あって…」と伝えていることと同じ。大まかな部分は誰でも知っていますが、それ以上の細かい部分をほとんどの方は知らないんです。

どこの動きが悪いのか。

どこの筋肉を多用していて、どこの筋肉が使われてないのか。

そもそもなにに悩んでいるのか。

自分自身はなにが楽しくて、なにが楽しくないのか。

どうしたら嬉しくて、どうなったら悲しいのか。

そういったひとつひとつの“細かい自分自身”のことを知らなかったんです。

知らないとどうなるか?改善のしようがありません。なにが必要なのかがわからない。どうしたら幸せになれるのかもわからない。どんなスポーツができるのかもわからない状況になってしまうんです。これだと人生もったいない。

 

足の不自由な方の施術もよく実施しています。

 

あるとき、こんな方がいらっしゃいました。

首・肩の痛みがとれなくて院にいらした40代の男性。いろいろな治療を受けてきたけれど、何年も改善がされないというお悩みでした。話を聴くと「昔、川でライン下りをしている時に痛めた記憶があるんです」というお話。

でも、そこからカウンセリングを行ってみて、生まれてきてからの環境や仕事の環境、人間関係などを聴いていくと、原因が外的要因ではなく、内的要因にあることがわかりました。そう、心の問題。

「ライン下りで首を痛めたんだ」と決めつけていたことで、ふと気を抜いた瞬間に首の痛みが発生していたんです。違うところに原因があると知った瞬間、改善方法が生まれ、首と肩の痛みは治まりました。

 

施術中の私です。

 

これくらい人間は、自分自身の体のことを知りません。情報過多な世の中で、自分にとって必要のない情報を集めたり、思い込んだり、他人の意見に流されたりしながら、自分自身を見失ってしまっています。

いろいろなスポーツがあり、いろいろな交流があり、いろいろな人生がありますが、まずやるべきことは“自分自身を知る”ということ。それが、すべてにおいての第一歩です。そして、知らないということを知るということ。知らなかったことを細かく知っていくこと。これが、この順番が大切です。

自分に障害がある。自分の周囲に障害を抱えたひとがいる。それが身体的なものであっても、精神的なものであっても、まずは自分自身の状態を知ることが大事です。その先に、自分の未来の活動が待っています。

私自身、元プロ野球選手であり、現在もスポーツに関わる仕事をしながら、柔道整復師として働いている日々です。パラリンピックを目指すアスリートの施術をしている縁もあり、少しでも多くのひとが障害者スポーツに関わっていってほしいなと感じています。

 

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